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サービス・不動産関連企業における事例

お客様事例

更新:2026-07-14 12:00

サービス・不動産関連企業における人材マネジメントポリシー策定と役割等級制度の導入|RD(役割記述書)を用いた「育成型」評価への転換

人事制度設計

人材マネジメントポリシー策定

役割記述書

業界・業種

サービス業・不動産業 ※社名非公開

社員規模

100名未満

実施期間

約2年(単体での導入後、グループ全体への拡張・整合を含む)

提供サービス

人事制度設計、人事制度運用支援、人事制度移行支援

1. クライアント企業の背景と直面していた課題

経営層の課題意識と、年功的な制度の見直し

クライアント企業は、多角的にサービス・不動産事業を展開する従業員100名未満の企業です。グループ全体として「社員の成長が会社の成長につながる」という経営層の思いがある一方で、従来の年功的・職能的な人事制度では、社員の成長意欲や挑戦を十分に引き出せていないという課題意識をお持ちでした。

見えてきた3つの組織的課題

当社による定量分析(等級・年齢構成や人件費構造、評価運用の傾向などの可視化)とヒアリングの結果、以下の課題が確認されました。

評価・処遇の基準の曖昧さ

職務や役割が不明確なまま評価が行われる傾向があり、成果や成長が処遇に反映されにくく、社員が成長を実感しにくい状況にあった。

マネジメント人材育成の属人化

専門性を発揮する人材が多い一方で、若手や次世代リーダーの育成が現場ごとに属人化しており、質にばらつきがあった。結果としてマネジメント人材の計画的な育成が課題となっていた。

年功的な運用による成長意欲の停滞

年功的な運用が残ることで、自律的な成長を促す仕組みが不足し、組織全体の活性化に課題を残していた。

2. 課題解決に向けたアプローチとポリシー策定

制度設計の前提となる「人材マネジメントポリシー」の策定

これらの課題に対し、具体的な制度改定へ着手する前に、まずは経営陣との討議を重ねました。今後の組織運営の軸となる「どのような人材を採用し、どう育て、どのような役割発揮を評価・処遇するのか」という「人材マネジメントポリシー」を明確に言語化することからスタートしました。

改革の前提となる4つの基本方針

討議を通じて、新しい人事制度を単なる「評価の仕組み」ではなく、「社員の成長を支援する育成制度」へと転換すべく、以下の前提条件を設計の軸に据えました。

  • スペシャリストを軸に据えつつ、マネジメント人材を計画的に育成する

  • 年齢や勤続年数に依存しない登用ルートを確立する

  • RD(役割記述書)に基づく「役割遂行度」で、評価と処遇を決定する

  • 役割を果たす社員が長く活躍できるよう支援する一方で、役割に応じた適切な評価と配置を行う

3. 制度設計における具体的な取り組み(等級・給与・評価)

策定したポリシーに基づき、「役割」を機軸としたメリハリのある制度への見直しを行いました。

① 等級制度:全職務のRD(役割記述書)作成と役割等級制度の導入

新たに「役割等級制度」を導入し、全職務についてRD(Role Description:役割記述書)を作成しました。 各職務における「期待役割」「責任」「必要知識・スキル」を明文化することで、これまで現場任せになりがちだった評価と育成の基準を全社で統一しました。等級は役割レベルで構成し、個人の役割発揮度によって昇降格が決まる、納得性の高い仕組みを構築しました。

② 給与制度:「役割給」への移行と、業績連動性を高めた賞与

給与体系を役割等級と連動させ、役割発揮度に応じて基本給が変動する設計へと見直しました。従来存在していた「年齢給」や「職能給」を統合して「役割給」へと一本化し、上位の役割を担うほど処遇にメリハリがつくよう再設計しています。 また、賞与については生活の安定を担保する固定部分を残しつつも、会社や個人の業績に対する連動性を高める構造としました。

③ 評価制度:RDを中核とした「育成型」評価と継続的なフィードバック

「育成制度」としての再定義と1on1の導入

評価制度を「育成制度」として再定義し、RDに基づく絶対評価を採用。期初におけるRD(果たすべき責任や目標)のすり合わせに始まり、月1回以上の「1on1ミーティング」の実施を制度化しました。継続的なコミュニケーションを通じて、業務のサポートと成長支援を行います。

評価会議による公平性の担保

期末には、マネジメント層が集まる「プレ評価会議」「評価会議」を実施して全社的な目線合わせを行い、評価の公平性を担保しています。

柔軟な調整機能

RDだけでは測りきれない貢献(上方修正)や、外部要因等の影響(下方修正)も評価フローの中に仕組みとして組み込み、実態に即した柔軟な運用を可能にしました。

4. まとめ:グループ全体の人材戦略へと拡張

「社員の成長を支援する」というポリシーに基づく新制度は、単体企業での導入にとどまらず、その後、各事業会社の特徴を反映した育成・給与設計へと拡張されました。
グループ全体で約2年という期間をかけて、経営が描く人材戦略と人事制度の整合を図ることで、専門人材の意欲を高め、グループの次なる成長を牽引していく環境が整いました。

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