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定年再雇用制度をジョブ型で再設計

お客様事例

更新:2026-07-14 12:00

定年再雇用制度をジョブ型で再設計|役割と処遇のミスマッチ解消と人件費コントロールを両立

人事制度設計

適正人員・人件費算定

人事制度運用支援

業界・業種

卸売業 ※社名非公開

社員規模

500名

実施期間

4か月

提供サービス

人事制度設計、適正人員・人件費算定、人事制度運用支援

1. クライアント企業の背景と直面していた課題

再雇用者の増加と、現場で生じる役割・処遇のミスマッチ

クライアント企業は、約500名規模の専門商社です。同社では、2030年まで定年再雇用者が増え続ける見通しとなっており、再雇用者の活躍を引き出しつつ、中長期的な人件費を適切にコントロールできる制度への見直しが急務となっていました。 現場では再雇用者と現役社員が混在して働く中で、以下のような課題が顕在化していました。

経験・スキルと職務内容のミスマッチ

本人のこれまでの経験・スキル・志向と、再雇用後に任される職務内容にズレが生じており、個人の強みが十分に活かされず成果が出にくい状態にあった。

処遇の低さと配分の不適切さ

業績貢献に対する配分が適切でなく、一律に給与水準が下がることから、パフォーマンスやモチベーションの維持・向上が難しかった。

これらの課題は、再雇用者本人の問題にとどまらず、一緒に働く現役社員の意欲低下や職場の停滞にもつながりかねず、若手のキャリア形成にも悪影響を及ぼす懸念がありました。

2. 課題解決に向けたアプローチと制度設計方針

「再雇用者に何を期待するか」の明確化

課題を解決するため、まずは経営計画を踏まえて「再雇用者に何を期待するのか」を明確化しました。そのうえで、以下の2点を基本方針として制度全体を再設計することを提案しました。

  • 経験値を活かして働き続けられる環境の提供

  • 業務レベルと貢献度に応じた処遇適正化による人件費コントロール

実際の支援にあたっては、経営視点、再雇用者視点、現役社員視点の3つの視点から制度設計の前提と考え方を整理し、ディスカッションを重ねながら制度骨子を策定していきました。

3. 制度設計における具体的な取り組み(等級・給与・評価)

本プロジェクトの中核は、現役世代の等級体系(職能型)から完全に切り離した「再雇用向けジョブ体系」の導入です。

① 等級制度:職務価値を測定する「ジョブレベル」の導入

  • 再雇用後に担う業務の「職務価値(業務の質、量〔日数・時間数〕、難易度)」を測定し、ジョブレベル(シニア1~5)を決定する仕組みを構築しました。

  • 判定を属人的にしないため、8つの評価項目とウェイト、スケールを綿密に設計。さらに、ジョブ評価のフローや、評価結果の本人通知・雇用契約における役割分担(人事/所属上長/所属子会社)など、具体的な運用面も整備しました。

② 給与制度:「職務価値=月例給」の原則と、賞与でのメリハリ

  • 処遇においては「職務価値の高さ=月例給の高さ」を原則とし、月例給はジョブレベル別のレンジで決定します(現役時代の等級とは非連動)。

  • 一方で、業績への貢献度合いは「賞与」でしっかりとメリハリをつける設計としました。

  • また、新制度への移行にあたり人件費シミュレーションを実施し、中長期的なコストと配分の妥当性をしっかりと検証しています。

③ 評価制度:貢献度を適正に測り、賞与へダイレクトに反映

  • 「個人業績目標の達成度」と「能力発揮度」を掛け合わせて評価する仕組みを採用し、ジョブレベルごとの標準定義と専用の評価シートを策定しました。

  • 上期・下期の評価結果をそれぞれの賞与に反映させるとともに、次年度の契約更新時の参考情報として活用する一連のフローを構築しました。

4. まとめ:再雇用者と現役世代が共に活躍できる環境へ

「再雇用向けジョブ体系」の導入により、再雇用者の役割と処遇のミスマッチが解消されました。
職務価値に応じた月例給と、貢献度に応じた業績連動賞与という明確なルールができたことで、シニア層のモチベーション維持・向上と、会社としての人件費コントロールが見事に両立しています。
現役世代の制度と切り離しながらも、お互いが納得して働ける評価・処遇の仕組みを整えたことで、世代を問わずすべての社員が意欲を持って活躍できる環境が整いました。

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